カイロプラクティックの法制化

なぜカイロは国家資格にならないの?

カイロプラクターをめざすみなさんが「ナゼ?」と疑問に思うこの理由。
それには「間違った解釈」が旧態依然と信じられていた実態があるのです。

しかし、最近になって、「統合医療学会」の発足も火付け役となり、ようやく政府も動き出してきました。


統合医療の流れとカイロプラクティック

カイロプラクティックが日本に導入されて90余年。近年では知名度、受診率もかなり高くなり社会的な存在価値が定着し、「法制化」への道にも光が見えてきました。

しかし、これまで法制化への道は道筋は厳しい状況下にありました。

その背景には、行政当局がすでに法制化されている領域との整合性や、既得権などを尊重し、カイロプラクティックの存在を「黙視」する姿勢を崩そうとしない状態を続けてきたからではないでしょうか?

しかし一方では日本のカイロ業界が「悪貨が良貨を駆逐する」的な現状を抱え、カイロの本質を評価させるだけの成熟度を確立させていないことも、また事実です。

立法化に向けての方向性は、カイロプラクティックの本質が理解され、社会的支持を受けての肯定的認知か、あるいは規制を目的とした否定的な意味での両面性があると考えられます。

その意味においては、カイロが正しく評価されるための条件を教育的な観点から追及することが必要です。少なくとも国際基準教育の遂行は、肯定的認知による法制化を推進するために最も有効かつ不可欠な活動だと確信しています。

さて、最近になって、統合医療(Integrative Medicine)の制度化に向けた動きが現実化してきました。

カイロが単独での立法化を獲得することが、現段階では厳しい状況下にあっても、統合医療が制度化され、その中にカイロが組み入れられることになれば将来的な単独法獲得への可能性を広げるものと期待されます。

そこで、次回は統合医療の制度化に関する検討を試みてみます。

医療制度の現状と統合医療

まず、統合医療とは「西洋医学による医療と代替医療をあわせ患者を治療すること」と定義することができ、病気の早期発見や予防、根治、健康維持の増進などをめざし、医療費の削減効果が期待されています。

そもそも、日本における医療制度は健康保険制度が基盤となって構築されています。

健康保険制度は1927年(昭和2年)に「健康保険法」、1938年(昭和13年)に「国民健康保険法」がそれぞれ施行され、1961年(昭和36年)に国民健康保険の全面実施によって「国民皆保険」が開始されました。

健康保険制度が完備されたことにより、日本の医療は著しく充実し、長寿国家となりました。しかし一方では、広義での「医療構造」を2重、3重にしてしまったようにも思われます。

明治期~昭和期の医療構造

また、明治期以降、西洋医学のみを「通常医療」とした日本における狭義の医療構造が、「国民の健康」を回復、維持、増進させるうえで、弊害を生んでいることは否定できません。

そもそも、日本では明治維新以前においては、西洋医学に類しない、漢方や針灸などを基にした東洋医学による経験的伝統医療が中心でしたが、西洋医学が導入されて以降は、伝統医療が衰退を余儀なくされ、西洋医学のみに通常医療としての地位が与えられました。

その背景には「科学的志向への偏重が強く尊重され過ぎたのではないでしょうか。科学志向を否定することはありませんが、「患者中心」志向を考慮すると、西洋医学のみで本来の医療が持つべき目的が達成されるとは言えません。

昭和期以降の医療構造

昭和以降、伝統医療の復旧を望む動きや、いわゆる民間療法と呼称される療法に民意が向けられてきたのは、西洋医学だけでは不十分であると意識され始めたからでしょう。しかしながら、そのような民意に反して医師の資格を持って医療を行う者は西洋医学医療を行い、実績のある伝統医療や民間療法に属する領域とは一般に相互の交流はなく、今日まで両者は並存している状態が続いています。

日本では通常西洋医学による医療は健康保険で賄われますが、代替医療の大部分は健康保険が適用されません。逆説的に表現すると、日本においては健康保険の対象になる医療が正当であり、それ以外の療法は代替医療に分類され亜流視されてきたとの解釈も成り立つ。統合医療が制度化される上ではこの健康保険制度がブレーキになり得る可能性を示唆する意見もあります。つまり健康保険の「適用」の可否が各療法の連結性に影響を及ぼしかねないという懸念がありますが、むしろ「健康保険中心型」の医療パラダイムにそろそろ限界が見えてきたのではないでしょうか。

東京カレッジオブカイロプラクティック副校長|村上佳弘

東京カレッジオブカイロプラクティック副校長、日本カイロプラクターズ協会顧問。

日本のカイロプラクティック創成期に尽力し、現在もカイロプラクティックの教育、政治、国際活動に奔走しています。

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