日本におけるカイロプラクティックの発展

日本におけるカイロプラクティックの発展


日本のカイロプラクティック事情

カイロプラクティックという言葉をインターネットや街中で最近多く見かけるようになりました。しかしながらカイロプラクティックが社会的に認知を受けている国々、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、スイスなどと比べると、日本では整体、マッサージ、接骨などと間違われる事も多く、職業としての普及はまだまだです。

ではなぜ職業としての認知が高くないのかというと、日本では「国家資格」になっていないことが大きな理由としてあげられます。国家資格ではないということは、職業に対しての法的規制がないために、どのような基準の教育を受けた人々でもカイロプラクティックを職業とすることが許されるのです。極端な事をいえば、教育を受けずにカイロプラクティックの臨床を行っても一切の規制や罰則がありません。そのために実際にカイロプラクティックを受診する際は、カイロプラクターがどのような教育基準を満たし、そして倫理的な業務をきちんとこなしているかを判断する必要があります。

先日も国民生活センターが、カイロプラクティックを含めた手技による医業類似行為の危害について消費者に注意を促しました。2007年より全国の消費生活センターには、背骨を押したりする手技による施術をめぐる相談が4,330件寄せられ、その中で怪我など体の異常についての相談は825件だったそうです。毎年増加傾向にあるといいます。また相談の40%以上が国家資格を必要としない整体やカイロプラクティックだったとのことです。こうした状況を改善するため、国民生活センターからの要請を受け、国際的な国際承認のカイロプラクティックを普及している業界団体代表である一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)は、安全を確保する臨床および倫理的に業務を行う広告規制などのガイドラインの作成を現在行っています。

海外のカイロプラクティック事情

海外ではカイロプラクティックは約40カ国で法制化され、職業として社会的地位を得ています。オーストラリアでは4つの総合大学の中にカイロプラクティック学部があり、5年間学びます。入学条件として、高校もしくは大学準備コースで理系基礎科目の単位取得が必要です。卒業後、豪州医療従事者登録機関(AHPRA)からカイロプラクティック開業資格を得ることができます。AHPRAには医師・看護師・歯科医・薬剤師・眼科医・理学療法士・心理学者・カイロプラクター・オステオパス・足病医など14の医療従事者の登録機関が傘下に入っています。

アメリカ

アメリカの場合、カイロプラクティック発祥の地であるため歴史も長く18の大学があり、入学条件として大学で3年~4年間必要単位を取得した後、3~4年間学びます。かつては全ての大学がカイロプラクティック専門大学でありましたが、今では7つの大学において健康科学関連大学もしくは総合大学の一学部となっています。アメリカは連邦政府の国家資格ではなく州資格として、NBCE(全米カイロプラクティック試験委員会)の試験を含む州のカイロプラクティック資格試験に合格する事で開業資格を得る事ができます。

カナダ

カナダでは英語圏のトロントに1つ、フランス語圏のモントリオールに1つの計2つの大学があります。トロントの大学は基本的にアメリカの大学と入学条件や大学期間はほとんど同じです。モントリオールでは、理系専門の高校卒業後、5年間の大学教育となります。CCEB(カナダ・カイロプラクティック試験委員会)による試験を含むカイロプラクティック州試験に合格する事で開業資格を得る事ができます。

こうした多くの国々では、病気を扱う「医療」や「代替医療」という枠組みから、より健康全般を扱う「ヘルスケア」や「統合医療」としての概念でカイロプラクティックが社会に浸透しているようです。現在日本では、免許制度のない医業類似行為としての位置づけです。医業類似行為というのはいわば、医師などが行う医療ではないがそれと似たようなことを行ってるという事です。なんとも曖昧な表現ですが、医師を中心とする日本の医療制度で、医師の下に鍼灸や柔道整復など他の医業類似行為従事者が位置するという構図です。

今後、日本でカイロプラクティックはどう発展するか

今後日本で、単独のヘルスケア専門職としてカイロプラクティックが国家資格となる事を期待します。それにより国民が安心してカイロプラクティックを受診できるようになります。そのためには我々カイロプラクターが社会で今どのように認知されているのかを考えなければなりません。またこれからどのように認知されてもらいたのかも考えていく必要があります。

ロンドン・オリンピックでは選手村でカイロプラクターがアスリートの体のケアを行いとても活躍しました。側弯症を患っている短距離走のウサイン・ボルト選手もカイロプラクティックを受けてみごと金メダルを獲得しました。病気中心の「医療」ではなく、健康を考える「ヘルスケア」の分野で、脊椎ヘルスケアの専門家であるカイロプラクターが、神経系を介して人々の自然治癒力を高めより健康にすることで、より高いパフォーマンス能力を引き出すことができると考えます。これから5年間で日本でも大きくカイロプラクティックが発展していくと信じています。

JAC会長竹谷内啓介

2002年豪州RMIT大学カイロプラクティック学科卒業。

国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE)委員

日本カイロプラクターズ協会会長

世界カイロプラクティック連合アジア地区代表役員

東京カイロプラクティック院長

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