統合医療学会

日本統合医療学会とWHO基準カイロプラクティック


日本統合医療学会の基本方針

1. 患者さん中心の医療
2. 身体、精神のみならず、人間を包括的に診る全人的な医療
3. 治療だけではなく、疾病の予防や健康増進に寄与する医学
4. 生まれてから死ぬまでの一生をケアする包括的な医療

日本統合医療学会(IMJ)の基本方針は、これらの4項目が明確に示されています。つまり、統合医療制度の確立は、医療のあるべき姿を実現させることに他ならないと実感させられます。

CAM部門の目的

1. 各分科会の専門分野が連携し、相互の発展をめざす
2. 各分科会の専門分野の統合医療における存在意義を明確にする
3. 各分科会の母体組織と連携し、情報交換をおこなう
4. 大学、研究所、センターを開設する際に協力する
5. 国際協力、地域活性化などに必要な事業を推進する

と謳われています。またCAM部門分科会の行うべき事業としては

1. 各分科会の専門分野の学会、協会などの名称、代表者、役員、活動、事務局などの情報提供
2. 各分科会の専門分野の教育、研究の指導に当てるべき人材のデータベース作成
3. 各分科会の専門分野において教育すべき基本カリキュラムの作成
4. 各分科会における研究すべき分野の項目作成
5. 各専門分野の認定資格
6. 各専門分野の大学講座の必要性の検討
7. 各専門分野について政府が支援すべき項目として固定認定資格、医療サービスへの参加、混合医療、健康保険制度の導入があげられています。

統合医療を推進する上で大きな追い風となってきたのが超党派の議員連盟(会長:綿貫民輔議員)や「統合医療を勉強する会」を称する民主党議員の検討会がスタートしたことです。それに呼応するかのように厚生労働省、文部科学省などの行政機関も前向きに検討する姿勢がみえてきました。

IMJとしては当面、議員連盟を使って5年間100億円規模の研究予算獲得と統合医療センターの設立に向けた動きを加速させるとの報告がありますが、仮に実現すると日本の医療における画期的な改革に発展するであろうことは容易に予測できます。

このような現状は、先行きの方向性が不透明であったカイロの制度化問題が、かなり現実味を帯びてきたと判断するに十分な根拠です。徳に「認定士」制度に関してはJAC(日本カイロプラクターズ協会)登録機構も併せて「国際基準カイロプラクター」の現実的意義を明確化させるという意味で極めて歓迎すべき方針であると考えます。

IMJの基本方針と国際基準カイロプラクティック

IMJのめざす方向が「Health Care」であり、厚生労働省の志向転換としても従来の「治療」中心的な考えから「予防医学」を中心に転換しようとする兆しが見える中で、統合医療の制度化実現がカイロの本質を具現化させることは言うまでもありません。

しかしながら、「統合」を推進させることは各療法の独自性を損ねることも懸念されるが、鍼灸を例に取って渥美理事長は、「現在日本の鍼灸学校では古典的な鍼灸を教えるところは全くない。どこの学校も西洋医学を尊重して、西洋医学的な観点から鍼灸を教えている。しかしこれは好ましいことではなく、鍼灸本来の良さを引き出すためには西洋医学的な立場を気にしないで、東洋医学の本質を教えなければ意味がない」と指摘しています。これはまさにカイロ教育にも当てはまることであり、統合医療を考えるためには、むしろ西洋医学的な発想ではなくカイロの独自性(哲学)を重視した教育が必要であると理解しました。

また、代替医療に対する消極論の中には西洋医学的観点のもとでエビデンスを求めようとしている発言もありますが、むしろ西洋医学的なエビデンスの持つ意味などはほとんど問題ではないという感触を得ました。むしろ安全で有効的な医療サービスを提供できる教育システムにこそエビデンスが求められると理解しました。

日本における90余年のカイロ史において、その本領が真に発揮されるための土俵がようやく整う光明が見えてきました。国際基準教育をスタートして14年。社会的信頼の獲得にとって最も重要な教育のエビデンスを構築できたことが、カイロの制度化という「夢」の扉を開く鍵であったということを改めて実感し、統合医療の制度化に大きな期待感をもってこの稿を締めくくりたいと思います。

東京カレッジオブカイロプラクティック副校長、日本カイロプラクターズ協会顧問。

日本のカイロプラクティック創成期に尽力し、現在もカイロプラクティックの教育、政治、国際活動に奔走しています。

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