JARO

日本広告審査機構JAROの広報誌にTCC村上先生が取り上げられる

日本広告審査機構JAROの2013年9月号(No.464)に、日本カイロプラクターズ協会顧問であり本学教務部長村上佳弘先生が広告の自主規制についての執筆依頼を受け、掲載されました。

 

カイロプラクティックにおける広告の自主規制の取り組み

カイロプラクティックは1895年に米国アイオワ州ダベンポートにおいてD.D.パーマーによって創始され、その後、約1世紀かけて世界的に普及したヘルスケアで、主として脊椎と神経機能の関連に着目した手技療法の1つである。

古来よりあまた存在する各種手技療法の中で、カイロプラクティックは大学レベルの教育、WHO(世界保健機関)の公認、現在40の国と地域で法制化されている点などにおいて特異性がある。

米国から日本に伝わったのは1916年とされており、わが国においても百年近い歴史を刻み、近年はその名称が急速な勢いで普及している。しかしながら未法制化状態であり玉石混交化した業界構造が、カイロプラクティックを取り巻く様々の問題の核心にあると考えられる。

その中でも特に憂慮すべき問題は、法的規制がないために不適正な施術者(類似施術者)が自由にカイロプラクティックを標榜し、結果として健康被害、広告表示上の問題を生じさせているという状況である。わが国ではカイロプラクティックは「法的資格のない医業類似行為」として分類され、医療関連の法規制の対象外となっている。

カイロプラクティックは健康に関わる療法であることから、利用者が不適切な広告(誤った情報)に誘引され、不適切なケアを受けた場合、身体に被害が及ぶ危険性や多額の費用を無駄に支払わせることになりかねない。教育に関しても誇大な宣伝や虚偽の情報によって誘導された場合、受講者に不利益が生じることは明らかである。

従って、カイロプラクティックに関わる広告は医療関連の法規制の対象外でありながらも、当協会ではカイロプラクティックをあえて医療行為に準じるものと位置付け、社会的責任として積極的に広告に関する自主規制をしなければならないという立場を取っている。

当協会ではWHOが提示するカイロプラクティックの定義と教育ガイドラインにうたわれた教育基準に準拠した者を適正なカイロプラクターとしている。現在日本にはカイロプラクティックを標ぼうする施術者が約3万人前後と推定しており、その中でWHO基準の施術者は800余名というのが広義の業界構造である。

以上の点を踏まえ、当協会が策定した「カイロプラクティックの広告に関するガイドライン」の中ではカイロプラクティックの定義(整体等との違いなど)を明確にした上で、①カイロプラクティックの表記、②施術者の呼称表記、③施術者の学歴等資格の表記、④事業所の表記、⑤適正な語句の使用、⑥誇大広告や虚偽広告の禁止、⑦マルチ販売や資格販売に関わる広告自粛、の内容を中心にまとめられている。

このガイドラインに基づく広告規制の直接の対象者は、WHO基準カイロプラクターであるが、健康問題を扱う医業類似行為であることに鑑みて、カイロプラクティックを標ぼうしている全ての施術者に業務、広告倫理順守の自主規制を強く呼び掛けている。また規制の対象者は個人だけではなく、学校、協会、団体などの法人も含まれる。

不適正広告がはびこる理由は、利用者の期待感を過度にあおる傾向や、類似施術者の場合、医学的知識が乏しいために不適切さに対する認識が欠如していることなどに起因していると考えられる。さらに法律や教育園において、海外の現状と大きく乖離(かいり)しているにもかかわらず、海外の実情を引用することで施術者自身の信頼性を高めようとしている点などが挙げられる。

ガイドラインの中では、わが国の医療および各種医業類似行為の法律に抵触してはならないとしている。利用者の権益保護のため、不正確な情報や虚偽事項を含む内容の広告や誇大広告を行ってはならないということを強調している。

そのためには不適切な語句、誤解を招く語句の使用を規制し、また病名の記載も強く戒めている。さらには学歴や資格の有無が施術者の信頼性の大きな判断材料になっていることを考慮し、広告内に明示することが望ましいと考えている。

カイロプラクティックの有効性や危険性は施術者の資質に起因しているということを考慮すれば、安全性の担保や社会の信頼に応えるためには適正な教育と広告倫理の順守が最重要であり、こうした自主規制が将来的な法制化や資格制度化の礎となることを期待したい。

東京カレッジオブカイロプラクティック副校長|村上佳弘

東京カレッジオブカイロプラクティック副校長、日本カイロプラクターズ協会顧問。

日本のカイロプラクティック創成期に尽力し、現在もカイロプラクティックの教育、政治、国際活動に奔走しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください