13歳のハローワーク

離島の高校生たちに様々な仕事の魅力を伝える企画

7月18日(水)、離島にある某都立高校にて、さまざまな職業を生徒さんたちに伝える、という企画がありました。

この企画は株式会社トップアスリートが運営する「13歳のハローワーク」に関連するもの。13歳のハローワークは、作家の村上龍氏が書籍を担当、その後製作されたウェブ版を株式会社トップアスリートが担当されています。

13歳のハローワーク

今回招致された職業は、映像制作・ウェブサイト運営、スタイリスト、野菜ソムリエ・料理研究家、建築家、カイロプラクター、音楽制作・サウンドデザイナー、システムエンジニアの7種。

どの職業も、生徒さんたちが興味を持って「話を聞きたい!」と選んだものだそうです。


未来ある高校生たち

参加したのは1年生と2年生で、1年生はまだまだ自分の進路を真剣に考える、という段階ではないようですが、世の中にはさまざまな仕事があり、色々な生き方があり、それを選択して生きていくのは自分たち次第だ、ということを感じ取っていたようです。

島の職業は主に漁業、農業、教育、医療、観光業。横文字の職業は雑誌やテレビで見たことはあっても、現役で仕事をしている人たちから生の声を聞ける、というのはとても貴重な体験なのかもしれません。

将来島に残る子たちもいると思いますが、やはり就職や進学で島を離れる人たちも多いそうです。

今回は職業の紹介でしたが、今までなかった分野の仕事を自分で作り出した着物スタイリストさんや、自分で音楽をつくり営業して地位を築いた音楽プロデューサーなどの話を聞いて、島内でも「自分で自分の仕事を作り出す」人たちが出てくるかもしれません。

働き方改革など、今後の日本における仕事のありかたは変革の時期にありますから、島暮らしを続けながら日本や世界と繋がりを持ちつつ仕事をすることもできる時代になりました。

今後の高校生たちの活躍が楽しみです。

カイロプラクティックという未知なる職業に興味津々

13歳のハローワーク カイロプラクティック

この島には、カイロプラクターはひとりもいません。そのため、興味を持って集まってくれた生徒さんたちですが、「カイロプラクティックを知っている人!」と聞いてみたところ、なんと知っている人はゼロ。聞いたこともない、という子供たちばかりでした。

内地でさえ、カイロプラクティックと整体の違いもよくわからない、という方が多いですし、生まれてから聞いたことも見たこともないカイロプラクティックは、どんなものなのか見当もつかない、といった印象でした。

ですが、オリンピック選手のケアも専従でやっているWHO基準カイロプラクターの話や、将来自分の好きな場所で仕事ができる(もちろん八丈島へUターンでも!)ということに興味を持ってくれたようです。

高校時代は人見知り。でも好きな音楽づくりに毎日のめり込み、気がついたらサウンドデザイナーに。

今回大人気だった音楽制作・サウンドデザイナーのカンガルー鈴木さん。

個性的なファッションと帽子がトレードマークです。生徒さんたちからも「どうしてそういう派手な格好をしているんですか?」という質問が飛びます。

「僕はフリーで仕事をしているから、覚えてもらうことから始まる。覚えてもらわないと仕事が来ない、というのがフリーの厳しさでもあります。

『帽子被ってたカンガルーなんとか、っていう人いたな』と思い出してもらえればラッキー!という感じで、こういう格好をしています」とのこと。

カンガルー鈴木さんは、高校時代は通学はしていたもののほとんど引きこもりだったそう。でも毎日家に帰ると、両親からプレゼントされた音楽機材を使い独学でサウンドを作っていて、それがやがて仕事になったそうです。

誰もが聞いたことのあるニュースの効果音やCMなど、幅広い活躍をされています。

好きなことを仕事にする、ということに、高校生たちは共感していたようです。

どこにもない仕事。ならば自分で作ればいい

ネオ着物スタイリストのミシェル由衣さん。

日本人の発想では着物というと、黒髪の日本人が綺麗に着付けてルールがいっぱいある、というイメージですが、金髪やカーリーヘアの人も似合う着物文化を伝えたいと、新しい着物スタイルの提案を発信されています。

ミシェル由衣

ミシェル由衣さんはプログラマーを目指しPlomar Community Collegeに留学。帰国後は7年ほどプログラマーとして会社勤めをしていたそうですが、アメリカで「日本好きの外国人の方が自分より日本文化にずっと詳しい」ことにショックを受け、日本の着物をもっと身近に、1000年先にも残したいと事業を立ち上げられました。

高校では落ちこぼれだったという彼女。でもアメリカに留学し、「できなかったのは日本の教育システムが自分にあわなかっただけだった」ということを気づかされたそうです。

ルールを押し付けられたり一方的にやれ、と言われることが大嫌い。アメリカに行って多様性を受け入れる文化が当たり前のようにあり、その空気が自分に合っていた、ということ。

自分の可能性を広げるために、海外留学も強く勧めていらっしゃいました。

彼女のピンクヘアもカンガルー鈴木さんと同様、「『ピンクの頭で着物着ていた人』と覚えてもらいたいから」だそうです。フリーで仕事をするには、覚えてもらう、というのがやはりキーのようです。

「他のファッションもあるけど、なんで着物にしたんですか?」という質問には

「着物はサイズがなく、どんな体格の人でも自由に着付けができる服。そういう自由度がある服は洋服にはない。そういう多様性が魅力だった」とのことです。

プログラマーからの転身ですが、自身のホームページを自分で作れるとか、無駄だった経験はひとつもない、ということでした。

食の仕事は、実はたくさんの人が関わっている

野菜ソムリエ・料理研究家のCanacoさん。

料理本の制作協力や芸能人とのコラボレーション、「料理をおいしく見せるための工夫」など、野菜ソムリエとして活躍中です。撮影現場の裏話に生徒さんたちも興味津々。

「食の仕事は、料理を作るだけじゃない。料理をおいしく見せる仕事っていうのもあるんですよ」

食の仕事は、レストランで食事を作る人、漁師さん、農家さんなど、実は島内にも食に関わる仕事をしている人はいっぱいいるんですよ、という話に、へえ~という表情の生徒さんたち。

Canacoさんのような料理研究家は、依頼主からさまざまな難しい要求をされるそうで、それに応えるためには創意工夫が必要とのこと。自分で考え行動し、作りだす。食の仕事の中には、Canacoさんのようなクリエイティブな仕事があるんだ、と知る良い機会だったのではないでしょうか。

自分が好きな仕事をするか、好きじゃなくても安定した職業に就くか

予想はしていましたが、やはり出ました、こういう悩み。

質問を投げかけたのは女子高生。レクチャラーはこの企画の主催者でもある松尾和祥さんです。

松尾さんは高校卒業後、システムエンジニアとして某有名企業に就職。その後独立してフリーに。

「なぜSEになったのか」という質問に、松尾さんは「仕事というよりもどんな生き方をしたいか、ということを常に考えていた」と答えていました。

自分の人生をどんな風に生きたいか。そのためにはどんな仕事がいいか。仕事のために人生がつまらない、というのは避けたかった、ということです。

そんな話を聞いていたある女子高校生が

「不安定でも好きなことを仕事にするか、好きなことじゃなくても安定した仕事につくか迷っている」

と言いました。

自営業というのは、いい面もあるけれど収入面で不安定な時期も必ずあります。不安に思うのはこの生徒さんだけじゃありません。大人になっても不安に思って公務員を目指す人もいます。

でも松尾さんは「なにが安定か、それはその人の価値観で決まる」と的確な答えをされていました。

「自分でとってこなければ仕事にならない自営業。でも、どのくらいの仕事をすれば月いくらにはなる。だったら生活はできるはず、という試算はしました。だから『たぶんやっていけるだろう』という確信はありました。

でも、すごく優雅な生活を送りたい、と思うならもっと安定して大きく稼げる仕事を選ぶだろうし、それは個人の価値観や希望する生き方で決まる」

本当に、本当にその通りです。

最後に

今回、この企画に同伴し各ブースを回ってみて、「本当にいい企画だなぁ」と思いました。自分が高校生のとき、魅力や可能性に満ちた自分が知らない職業はいっぱいあったはず。その機会を得られた高校生は、とてもラッキー!

今回レクチャラーをつとめられた人たちに共通しているのは、「仕事が自身のアイデンティティにもなっている」ということ。仕事がその人の個性や生き方にもなっている、ということです。

素晴らしい企画にお呼びいただきありがとうございました。

クリエイティブディレクター:佐藤 靖子

東京カレッジオブカイロプラクティック広報部長、クリエイティブ・ディレクター。印刷全般からウェブコンサルティングまで幅広く活動。

女子栄養大学食生活指導士、認知症予防食生活指導員

「40代から始める!ヘルシーエイジング」を運営。主に40代以降の女性たちに向けた「最後の瞬間まで自立して生きる」ことの大切さを親しみやすい記事を通して情報発信しています。

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